ハヤティワンアイスクリーム

アイスクリームは売ってませんが、アイスクリームのような冷たく寒いギャグ屋さん

ことわざ

 

そのほとんどは胡散臭く、説教じみた何かだと思っていたが、今日、恐らく初めて、「情けは人の為ならず」ということわざの存在を感じることになった。

 

そして、何かの間違い(デキチャッタとかそういう話ではない)で 息子なんかができてしまった10年後にもまた、そう感じることができたら、胡散臭い言葉から座右の銘へのクラスチェンジが成されてしまうのではないか。

 


Lionlimb "Domino" Official Single

 

家の近所には、10年ちょっと前まで通っていた小学校と、隣接して大きな公園がある。

 

当然、その公園にはよく遊びに行っていたのだが、15年ほど前、スリルを求めて自転車に乗っていた伊藤少年は、とても短く高く急な坂を、ゆずのお二人に怒られそうな速度で下って...いや、落ちていく遊びをしていた。

 

その日は運悪く(というか、その前までが運が良かっただけなのだが)、目の前に小さい子が急に現れ(というか、急に現れたのは僕のほうだ)、避けようとして転倒した。

 

地面につく前に3回転半はしていたと思うが、減点があるとしたら、回転不足よりも転倒してしまった点であろう。

 

とにかく派手にケガをし、その小さい子の母親に謝られながら家まで連れて行ってもらった記憶がある。

 

手当をしてもらった後、よし!遊びの続きだ!と外に出ていこうとして、友人に「今日はもうやめとけよ」と止められた記憶もある。

 

バカすぎる伊藤少年。

 

 

 

ここからが今日の話。

 

ちょっとお菓子でも買いに行こうかと家を出て、公園の前を通り、小学校に差し掛かったところで、膝に空いた穴から血が出ている少年が泣いていたら助けない人はいない。

 

助けない人がいるとしたら、警察にでも追われているに違いない、僕より前に少年の横を通り過ぎていった自転車に乗ったお姉さんだけだ。

 

少年の親は会社にいるとのことで、小学校に電話し、担いで保健室に向かう途中、わんわん泣いていた少年が、「膝に穴が空いてる。」と冷静に言った瞬間、思わず笑ってしまった。

 

10数年ぶりに母校の保健室に入り、買い物を済ませた後、家にお礼の電話があったらしく、「あなたが小学生の頃こんなことがあったね。」と母親に言われて15年前の出来事を思い出した。

15年前に受けた恩を返せた気がして、今日は気分が良い。

 

そして15年後には、今日助けた少年が、膝に穴を空けた僕の息子を抱えて保健室に連れて行ってくれるはず。

 

そしたらやっと、「情けは人の為ならず」を座右の銘にしてやるし、他のことわざについても勉強してやろうと思う。

 


Lionlimb "Turnstile" Official Audio + Drawings

 

それにしても人助けをしたはいいものの、休みの日だからといって

・髪は整ってない

・髭は1日剃ってない

・短パンに赤いパーカーで茶色の革のサンダル

この恥ずかしい格好の僕を、当時の担任の先生が見たら誇りに思ってくれるのだろうか。

 

しかも偶然通りがかった、その少年の同級生の母親だという若くて綺麗な女性にも見られてしまっている。

 

ああ...「穴があったら入りたい」とはこのことか。